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ここがこれから君の家になる緑林寮
ぼくたちはここを『グリーン・ウッド』なんて呼んでいるんだ




1 「胃が弱くて 神経弱くて 女に弱くて」
「うーむ 問題あるな」
「あんたの育て方の問題だよ」
 ―STORY―
胃潰瘍で入院していた蓮川一也は、一月遅れで緑都学園に入学する。同室の「美少女」、隣室の「優しい」先輩たち――受難の日々の幕開けであった。(#1)
初恋の相手・すみれと兄の新婚家庭と化した家には帰れない。夏休みも寮に居残る一也を心配して、すみれが訪ねてくる。当然それは寮生たちのいい見せ物だった。(#2)
帰省していた寮生たちも戻ってくる夏休み最終日。宿題に追われる彼らに思わぬ非常事態が…!(#3)
 ―COMMENT―
メインキャラの顔見せ的な巻ではあるが、後々への伏線も垣間見える。
後になるほど4人のドラマの比重が大きくなるので、寮生活のドタバタコメディとしてはこの巻が最も純度が高いかもしれない。#3は作者が一番描きたかった話だそうだ。
普段イジメていてもいざという時にはフォローに回る光流と、素直に頭を下げる一也。羨ましい先輩・後輩関係である。
なお、この巻だけ忍が別人という噂もあったりなかったり。

2
"がんばれ"なんて いわないんですね…
 
 ―STORY―
冬休みも家に帰らないつもりでいた一也。しかし年末年始、寮は完全に閉鎖されてしまう。一也はどうやってのりきればいいのか。(再会のグリーン・ウッド)
新年早々、光流たちは疲れきった風情の女の子にナンパされる。彼女はなぜか怪しい男たちに追われていた。(LIVE OFFグリーン・ウッド)
バレンタインは美形の先輩たちの独壇場。実は密かに一也に焦がれる女の子だっているのだ。(みんな愛のせいね)
雪の積もった白い日、光流が誘拐された。一也の心配をよそに、忍はなかなか動こうとしない。(白い日/頭のいたいネメシス)
 ―COMMENT―
準レギュラーとなる美恵子・渚、妙に印象的な(あ)と女性陣が大活躍なのに、さっぱり華やかな展開にならないのはなぜ(笑)
後半、これまではっきりした役割もなく掴みどころのない存在だった忍のキャラクターが明確になってくる。この後、全編を貫く光流と忍の物語の出発点ともいえるだろう。
ところで連載当時は、「がんばれ」の一言が相手の負担になるという考え方は、さほど一般的でなかったような気がする。いま読み返すと美恵子のモノローグは鋭い。

3 兄なんてもんはなぁ…
 
弟を同じ人間だなんて思ってないんだ!
 ―STORY―
不快指数83の暑い夏の一日。ビギナー読者のためのGW。(日本の夏が来てる)
プール監視員(い)が一目惚れしたのは長い髪の美少女だった。(プールサイドの彼)
夏休みのある日、光流が実家に帰った。代理を任された一也が一息ついたのも束の間、家出少女(?)が寮に転がり込んでくる。(正しい兄弟愛)
新学期を迎えた緑都は体育祭の話題一色。一也は光流と同チームになったが、もう一つ気分がのりきれない。(若い力)
現在確認されているGW内唯一のカップル・藤掛と渡辺の馴れ初め話。(ボーイ・ミーツ・ボーイ)
 ―COMMENT―
一也の第一次成長期の巻。
如月兄弟に重ねられる一也と一弘の思い出は、どれも平凡な日常の一場面ながら胸に来るものがある。
学生時代にしか体験できないお祭り騒ぎを存分に描いた「若い力」はグリーンウッド屈指の名エピソード。一也の序盤最大の見せ場でもある。
また光流のリーダーシップが随所で発揮されていて、こちらも文句なくかっこいい。

4
忍先輩? 神様みたいな人だよ――――v
 
 ―STORY―
番外編。さらわれた王子を助けるために、勇者ハーブと従者ティノが魔王討伐の旅に出る。実は魔王クールとハーブは幼なじみだった。(ここは魔王の森)
学園祭で「緑都クィーン」の座についた光流を、毎日のように正体不明の誰かがつけまわす。(Sの悲劇)
美恵子と再会した一也と光流は彼女のボディーガードを頼まれた。どうやら命を狙われているらしい…?(狙われたアイドル)
それぞれの実家で過ごす4人のお正月風景。(お正月を写そう)
ジャーナリスト志望の1年生・布施は新聞部に入部試験を課される。それは生徒会長・忍の悪事を暴くことだった。(ノーブレス・オブリージ)
 ―COMMENT―
一転して一也の出番が減…(笑)
「魔王の森」は独立した番外編としても十分面白いが、次巻の「雨やどり」と併せると色々深読みができる。これらは表裏一体の物語なのだろう。ちなみに「魔王の森」は「雨やどり」連載の途中で掲載されている。
ところで上に挙げた台詞には続きがあって、「神様みたい」の理由が述べられているのだが……おそらくこれは瞬の最高の名言ではないかと。

5 天上の人たちは 下界からの願いを無視しつづける

人は自分にむいた生き方をすればいいんだ
 ―STORY―
時は遡って先輩達の新入生時代。息詰まるような家から逃れてきた忍には、同室となった光流の明るさが苦々しい。ある日、忍の企みを巡って二人はついに衝突する。(雨やどり)
瞬の招待で湖畔の古いホテルに遊びに来た4人は、同じく4人組の女性と知り合う。この夏こそまともな青春を過ごせるか?(夏のお嬢さんたち)
バイク一筋だった古沢先輩の朴訥な恋物語。(愛と青春のぼくたち)
 ―COMMENT―
「魔王の森」とともに全編を通じて最もシリアスな展開となる「雨やどり」では、後輩たちの前では決して見せない、触れると切れそうな光流と忍の関係が描かれる。
といっても全てが明らかにされるわけではなく、現在のような関係に至る経緯を読者の想像に委ねている辺りは上手いと思う。
ラストシーンで忍が一里塚について語ることによって、この漫画の中で明確に時間が流れ始めたのではないだろうか。

6 そうだ おれは ずっと

みんなに 弘兄をほめてほしかったんだ―――
 ―STORY―
本当に男らしいのはどちらか。意地とプライド(とその他)を賭けて一也と戸丸が一騎打ち!(がんばれ蓮川!!卓球勝負)
忍の主導で例年にない盛り上がりを見せる学園祭。しかしそれを快く思わない人物が妨害を企てていた。(お楽しみはこれからだ!)
ホモの噂も囁かれる男子校保健医・一弘の元に毎日通ってくる生徒が現れた。同時に一也を何者かが執拗に付け狙う。(蓮川家の一族)
一弘とすみれの出会い編。(蓮川家の一族・魔性の女)
 ―COMMENT―
兄への屈折した思いもやっと軌道修正しかけたというのに、別の奈落に突き落とされるとことん不憫な主人公(笑)
とはいえ、この巻のエポックは一也が報われない初恋にケリをつけたこと。そしてそれを後押しする瞬の言動がとても素敵だ。
学園祭の話では、光流と忍の微妙な力関係が面白い。ガッチャマンな一也の扉絵はお気に入りの一つです。


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